8月18日(木)に小学生を対象にした臨床栄養学科の公開セミナーが開催されました。当日は、A会場(実験)とB会場(調理)に分かれて行い、参加者は両方を体験しました。
まずはA会場から・・・
実験は7つのグループに分かれて、グループ内で役割分担しながら行いました。実験操作中は、子どもたちやお母さんたちも、白衣、手袋、ゴーグル、マスクを着用します。
①赤キャベツから色素を取り出します。
赤キャベツの葉をちぎってビーカーに入れ、電子レンジで加熱する方法と鍋(プライパン)で茹でる方法のどちらかで、赤キャベツの色素を取り出しました。赤キャベツの青紫色素が取り出せたら、ゼラチンを溶かしてからゼリーをつくる容器に小分けします。
赤キャベツを茹でて色素を取り出します |
②フルーツをカットします。
実験操作は子どもたちが行います。キウイフルーツやレモンなどを輪切りにします。大きな包丁を使うのでフルーツをカットするのは難しいのですが、子どもたちは思っていたよりも上手でした。
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③カットしたフルーツをゼラチン溶液に入れて、冷蔵庫で冷やします(20分間)。
スライスチーズにキウイフルーツをのせて、チーズ(牛乳のたんぱく質)を溶かすかどうかも調べます。
ゼリーができるまでの待ち時間に、赤キャベツ色素の性質も調べてみました。赤キャベツの色素は酸やアルカリで色が変化します。研究等で使う連続分注ピペットやピペットマンを使いました。
冷蔵庫から取り出して、ゼリーが固まっているか、固まっていないかを観察します。
予想に反して固まっていたグループも多かったです。
短い時間にいくつかの実験をしてもらったので、ドタバタしてしまいました。結果がうまく出なかったグループが多かったですが、実験の楽しさを感じていただけたら幸いです。今回の実験は、すべてご家庭にあるものでできます。材料を変えたりして試してみてください。
参考までに
キウイフルーツでもゼリーが固まってしまった理由
ゼラチン液にキウイフルーツを入れてから、直ぐに冷蔵庫で冷やしてもらったのが原因ではないかと思います(←ごめんなさい)。たんぱく質分解酵素は果汁に含まれていますので、果汁がゼラチン液に染み出してから酵素が働く時間が必要です。家庭の冷蔵庫よりもより強力な冷蔵庫で冷やしたので、酵素が働けずに固まったのでしょう。ゼリーに入れてからフルーツを揺すったり、室温でしばらく置いてから冷やすようにするとよかったように思います。後日試したところ、1/4にカットしたフルーツをさらに細かく切って、果汁が出やすいようにしてからゼラチン液に入れると確実にうまくいくようです。
スライスチーズの実験について
これもフルーツをスライスチーズにのせてからの時間が十分に取れなかったために、結果がわかりにくかったように思います。室温で60分間以上経ってから確認すると、たんぱく質分解酵素のはたらきがよりはっきりわかるかと思います。予備実験の結果をアップしておきますので参考にしてみてください。