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気にくわない食品表示

 今日は気にくわない食品表示の話・・・

それは、食用油の「コレステロール0」の表示。

キャノーラは、なたねの栽培品種名です

容器に入れて販売される食品には、食品表示基準に基づく表示が義務付けられています(食品表示法)「コレステロール0」は、強調表示(含まない旨)に該当します。

「コレステロール0」の強調表示は、次の基準に該当しなければなりません。

『食品100 gあたり 5 mg 以下(ただし、飽和脂肪酸の量が1.5 g 以下であって当該食品の熱量のうち飽和脂肪酸に由来するものが当該食品の熱量の10%未満のものに限る。)』

なたね油の成分と比較すると・・・

日本食品標準成分表2020(八訂)

コレステロール量は 2 mg なのでOK。一方、飽和脂肪酸量は 7.06 g なので、ただし書きにある基準値を超えています。

それでは食品表示法違反かというと、基準の備考欄にこのような記述があります。

『1食分の量を15g以下である旨を表示し、かつ、当該食品中の脂肪酸の量のうち飽和脂肪酸の量の占める割合が15%以下である場合、コレステロールにかかる含まない旨の表示及び低い旨の表示のただし書きの規定は、適用しない。』(←わかりにくいね)

なたね油の飽和脂肪酸量は約7%なので、「1食分の量を15g以下である旨」を表示しておけば『コレステロール0』の表示はできるということです。

栄養成分表示も義務表示です

『大さじ一杯(14g)当たり』(←他の食用油も多くが同じ表示)と、15g 以下で表示されていますね。だから、表示しても問題なし。

でも、やっぱり気にくわない・・・

そもそも、植物はコレステロールをつくらない*ので、植物性食品はコレステロールを含まないか、極わずかしか含みません。もともと含まないものに、『コレステロール0』と表示できるのも・・・なんだかなぁ。

そして、最も気にくわないのは・・・

『コレステロール0』の表示基準値が国試に出たこと。
強調表示の基準値を覚えてくださいね。

*:植物は、コレステロールに似た構造の植物ステロール(シトステロールなど)をつくります。なお、植物にもコレステロール合成に関わる遺伝子があることが最近になって発見されました。